エチオピア高原の吟遊詩人 うたに生きる者たち
2021年度・第43回[芸術・文学部門]サントリー学芸賞受賞!
アフリカ音楽・芸能の知られざる顔
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本書は、弦楽器マシンコを弾き語るアズマリ、門付(かどづけ)を行うラリベラと呼ばれるエチオピアの吟遊詩人たちが、歴史的に担ってきたさまざまな役割について振り返ると同時に、人々との豊かなやりとりに基づいて展開させる地域社会での芸能の様子を描く。さらに本書は、両集団のコミカルで深遠な歌詞の魅力、秘密の言語によるコミュニケーション、アーティストへ転身し各国で活躍する姿、新型コロナウイルス感染症拡大のなかでの活動についても紹介する。吟遊詩人の活動や生きざまに迫りつつ、音楽、芸能について、アフリカの地平から相対化してとらえ、考えることを促す。
帯には今福龍太氏(文化人類学者)からのオマージュを掲載。
「アズマリよ。ゴンダールの埃立つ街路の音楽師たちよ。卑にして聖なる道化たちよ。蔑称を引き受け、通念を内なる知恵によって破壊し、諷刺によってちっぽけな世界と壮大な神話とをつなぐ吟遊詩人たちよ。私もまた、マシンコの弦の震えの力強い感触を手がかりに、著者とともに、社会に蔓延する不条理の道を飄々と“流し”ながら突っ切り、朗らかに歌い歩こう!」
― 出版社説明文より
目次
序
1 チュンブルなやつら
2 古都ゴンダール、王女が眺めた場所
3 生きつづける神話、楽器マシンコ
4 権力への従属と抵抗、メディアとしての芸能者
5 祝祭儀礼とアズマリ
6 精霊との会話の仲介
7 農作業とアズマリ
8 ほめ歌
9 蠟と金、イメージの世界への潜行
10 秘密の言葉の秘密
11 故郷とのつながり
12 タガブとイタイア
13 ひろがるアズマリ・ネットワーク――メケレにて
14 ワシントンDCのアニキ
15 アズマリベットの栄枯盛衰
16 外側から揺り動かされるエチオピア音楽
17 職能者からアーティストへ
18 高原の吟遊詩人ラリベラ
19 様々な呼称
20 シュカッチ伝説
21 ラリベロッチ――終わりなき祝福を生きる
22 映像へのリアクション
23 さあ私もあなたも生き延びよう
おわりに
写真説明
参考文献
Book Design: 木村稔将
Size: 四六判(188×127mm)
Pages: 252 pages
Published in October 2020
Publisher: 音楽之友社
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