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Sunset
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古い工場をリノベーションし、韓国最先端のファッション&カルチャーの拠点として生まれ変わった街・ソンスドン。
新旧が交錯する街で、石川はレンガ造りの壁に木の枝が影を落とす夕刻のたった2時間、カメラを手に、道ゆく人を撮り続けた。
本作は、20世紀アメリカのドキュメンタリー写真を代表する写真家のウォーカー・エヴァンスが、
労働者を取り続けた「Labor Anonymous」にオマージュを捧げた作品である。
韓国最先端のファッションに身を包んだ若者、戦後を生き抜いてきた老人、軍服に身を包んだ青年たち─。
石川の目を通して記録された、消費者としての現代韓国人の姿に、我々もまた、同じ壁の前を歩いていることに気付かされる。
『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』(2014)で、
第40回木村伊兵衛写真賞を受賞した石川は、生まれ育った沖縄を拠点に作品を撮り続けている。
2021年には、山に分け入り、自然の中で自ら狩猟し、食した生物の臓器を撮った『いのちのうちがわ』を発表。
2022年には、それまでの集大成となる『zk』を発表した。
「絶景」から「zk(ゼッケイ)」へ。石川は言う。
「『zk』は、写真を撮ることで見えてくる、自分の内側と外を分かつもの」である─と。
故郷・沖縄を離れ、韓国で石川がみつけた「zk」とは何だったのか。
石川竜一が切り撮った“夕暮れのひととき”をご高覧ください。
───
Consumer Anonymous
どのようなことでも同じなのかもしれないが、
今ここにいることに、大した理由なんてなく、
そこに何かしらの意図や思惑があったとすれば、
そのほとんどは、生きようとするどうしようもなさを除いては、
社会的な何かなのかもしれない。
かろうじて、間接的に、生活と繋がっているようでもある、
消費者の視線。
細菌のように増殖していくショッピングストリート
立ち並ぶブランドショップ
行き交う人々
身を飾る肩書きと、そのコピーの数々
流行りの飲食店で付けたシミ
それはとめどなく湧き出る欲望に纏わりついた哀愁のようだ
そんな思いの先に現れた景色
歴史を思い起こさせるレンガの壁
傾いた太陽の光によって、重なるように落ちた木影
その自明的であるような意味に救いを求めていたのかもしれない
彷徨う肉体
引き剥がされた知性
それらを繋ぐ精神
消費とは、人のつくり出した意味の消滅であり、物質が続けてきた変換運動であり、
エネルギーのインフレーションでもある。
石川竜一
※本書掲載あとがきより
───
石川竜一 (いしかわ・りゅういち)
1984年沖縄県生まれ。2010年、写真家 勇崎哲史に師事。2011年、東松照明デジタル写真ワークショップに参加。2012年「okinawan portraits」で第35回写真新世紀佳作受賞。 2015年、第40回木村伊兵衛写真賞、日本写真協会賞新人賞受賞。
主な個展に2014年「RYUICHI ISHIKAWA」gallery ラファイエット(沖縄)、「zkop」アツコバルー(東京)、「okinawan portraits」Place M(東京)、2015年「okinawan portraits」The Third Gallery Aya(大阪)、「A Grand Polyphony」Galerie Nord(パリ)、2016年「okinawan portraits 2012-2016」Art Gallery Artium(福岡)、「考えたときには、もう目の前にはない」横浜市民ギャラリーあざみ野(神奈川)、2017年「OUTREMER/群青」アツコバルー(東京)、2018年「zkop: a blessing in disguise」Yamamoto Keiko Rochaix (ロンドン)、2019年「home work」The Third Gallery Aya(大阪)、2021年「いのちのうちがわ」SAI(東京)、2022年「RECORDry」BD Gallry(名古屋)など。
主なグループ展に2016年「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」森美術館(東京)、「Body/Play/Politics」横浜美術館(神奈川)、2017年「日産アートアワード2017:ファイナリスト5名による新作展」BankART Studio NYK(神奈川)、2019年 「Oh!マツリ★ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー」兵庫県立美術館(兵庫)、「作家と現在ARTISTS TODAY」沖縄県立博物館・美術館(沖縄)、「Reborn-Art Festival」石巻(宮城)、2022年「国際芸術祭 あいち2022」常滑(愛知)など。
主な写真集に『okinawan portraits 2010-2012』、『絶景のポリフォニー』、『adrenamix』、『okinawan portraits 2012-2016』、『いのちのうちがわ』、『zk』(いずれも赤々舎)、『CAMP』(SLANT)などがある。
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